思考体力をフル活用し、新規開拓からPMまで一気通貫。子どもたちに「世の中に接続された学び」を届けるARROWS営業職に求められること

「先生から、教育を変えていく。」をビジョンに掲げ、学校教育の変革を推し進めるARROWSでは、同社の中核事業「SENSEI よのなか学」の急拡大に伴い、営業職の採用を行なっています。企業と提携して先生へ提供される教材の全体管理・マネジメントを行う営業職は、どのような業務に取り組んでいるのか。営業マネージャーの梶谷明広さんに詳しく聞きました。

すべての子どもたちの「選択肢」を広げるために

――梶谷さんはリクルートに12年勤めた後、ARROWSに入社しています。まずは前職での経験と転職の経緯について教えてください。

リクルートでのキャリアは営業からスタートしたのですが、1年で企画に異動し、そこから主に営業企画、事業企画、経営企画などいわゆる企画業務に11年間携わりました。ARROWSには22年7月に正式入社しましたが、その少し前に知人から「合いそうな会社がある」とARROWSを紹介してもらい、リクルートにいながら副業で業務委託としてお手伝いしていたんです。やっているうちにARROWSの仕事がどんどん楽しくなってきて、社長の浅谷からも「正社員としてどうか」と声をかけてもらい、入社を決めました。

ARROWSのやっている「子どもたちに、世の中に接続された学びを提供する」というのは、実は自分が学生時代から考えていたことでもあって、そこがつながったというのが決め手です。私の両親は父母共に教師だったため、子どものときに知っていた職業は教師と、メディアで目にする職業が大部分を占めていました。でも社会にはもっと様々な職業も働き方もあります。社会に出る前にそれらを知ることができれば、その先の選択肢を広げられますが、多くの人は大学生の就職活動のときに初めて企業研究をしてそれらを知ることになる。

そういったことへの違和感から、学生時代は企業やそこで働く人を知るイベントを開催したり、社会人と学生がつながれる場を作ったりといった活動をしていました。根底には「この先、社会人として自分が世の中に対してどういう価値を提供していけるのか?」とった問いへの内省を深めるプロセスが重要だという思いがあり、そのためには社会に出る前に自分が知らない働き方をしている人や自分の知らない職業を知って、キャリアの選択肢を広げることが重要だと考えていました。

その面で、民間企業とコラボした授業を通して世の中の最先端を学べ、結果的に仕事や働き方の選択肢を広げることができるARROWSの「SENSEI よのなか学」は、とても共感し価値があるものと感じています。しかも、それは場所を選ばず無料で提供もしている。教育にたくさんのお金をかけられる家庭の子だけではなく、どんな子どもにも等しく届けることができる。都会に閉ざさず日本全国、例えば離島で暮らしている子どもたちにも機会を届けられる。このサービスをもっと世に広めないといけないと思いましたし、その役目を自分が担えるという部分にやりがいも面白さも感じています。

よく聞かれるのですが、給与面は、私の場合は前職のほぼ横ばい。入社後にちゃんと成果を出していれば上げてもらえる職場なので、そこは全く心配していなかったです。

新規開拓からPMまで一気通貫「目指すのは世の中への価値提供」

――ARROWSの理念や提供価値と梶谷さんのそれがピタリとハマった印象を受けます。担当業務について教えてください。

営業企画兼マネージャーとして全体の数字などを見る部分と、自分が営業のプレイヤーとして動く部分がありますが、比重としては前者の方が大きいですね。経営企画も兼務しており、ここでは主に会社の売上やキャッシュなどの見通しが立っているかを見ています。リソース配分は営業と経営企画で8対2とほぼ営業です。

入社して最初にやったことは、KGI(経営目標達成指標)の設定です。代表の浅谷と話して、最終的に私たちが目指すのは「授業を届けた子どもの人数を増やすこと」と決めました。そこから逆算して課題を洗い出し、目標とするプロジェクト数を定め、営業メンバーで業務を分担しています。

特に営業という職種は売上金額を指標にすることが多いですが、僕らのビジネスはクライアント企業と共に作った“世の中と接続された学び”を何人の子どもたちに届けることができているかが重要です。さらにその子どもたちがそこから学び、結果的にその企業のファンになってもらえることが価値となります。

もちろん、学びを受ける子どもの人数が増えていけばいくほど売上も増える設計にはなっていますが、KGIを売上にしてしまうと、子どもの人数とは関係のない売上の作り方もできてしまいます。子どもの人数はそのままでサービスにオプションをつけたり、サービスにリサーチを加えてみたり……。必要なオプションもあるとは思いますが、それだとクライアント企業に対しては価値提供できていても、世の中に対しては広がらないことになります。それは私たちの目指すところではないんです。

――営業チームの体制や業務内容はどのようなものでしょうか?

今の営業チームは営業が4人でアシスタントが2人、私を含めて全部で7人です。

チームとして特に重要視している活動は毎日の朝会です。9時に全社朝会を行い、その後に事業部全体の朝会で他の部署と連携をとります。営業部の朝会はそれらが終わってからの10時までで、今後のアポのスケジュール確認をして必要な作業を確認し合い、各々が抱える悩みをシェアして議論して解決していきます。

営業チームのミーティングの様子

なぜ朝会にこだわるのかというと、ARROWSはスタートアップであり、日々営業のやり方が変わる「完成された型がないフェーズ」にあるからです。疑問や課題が出るのは当然で、起こったことを全体でシェアして組織で学ぶことが大切なので、意図的に全員がいる場でそういう話をするようにしています。

朝会のほかには毎日、何か自分が得た気づきを「日報」としてslackに投稿するという文化も大切にしています。個人が感じたことや学んだことをメンバー全員で共有することが目的です。ふとした小さい学びや気づきは意識しないと普通に通り過ぎてしまうものですが、1日の最後に「その日の学びを日報に書く」というのを前提にすることで、常に学びを意識しながら過ごすようになりますし、組織にナレッジが溜まりながらコミュニケーションにもなります。とてもいい仕組みだなと感じています。

営業チームの業務としては、新規のクライアント企業の場合、開拓活動からはじまります。

クライアント企業が提案を受け入れてくれたら、次の商談に入ります。ここをうまくクリアするには初回の商談時にいかにクライアント企業のニーズ・課題感をヒアリングできているかがポイントです。実際にそのニーズや課題感を具体的なサービスに落とし込んでいくのは教材を編集・ディレクションするチームの役目ですが、そのサービスを本当に良いものにするためには、営業メンバーが顧客のニーズや課題感をクリアに伝えられるかが重要です。

授業の制作段階に入ったら営業はPM(プロジェクトマネージャー)のような役割にシフトします。クライアントの課題感を編集チームに伝えつつ、クライアント目線を持ち続けてディレクションしていきます。一方で最も重要な顧客は先生なので、クライアントに寄りすぎて企業広告のような授業になってしまわないようにも注意します。

ARROWSの営業にフィットする人3つの共通点

――途中からPMとなり、言ってみればコンサルティング営業のような業務を担うということですが、ARROWSの営業に向いているのはどのような人だと思いますか?

この仕事で一番必要なのは、常に頭をフル回転させるような思考体力です。

ARROWSのサービスは競合がいないことに加えて、お客様も初めて聞く内容なので、それを理解してもらって受注に繋げるには、いかに商談時の議論をリードできるかという点が鍵になるからです。

私たちが目指すべきところはシンプルで「常に先生ファースト」で「授業を届ける子どもの数」を増やすことです。もちろんお金を出していただくのはクライアントですが、先生に受け入れてもらえるかが最優先。その上でクライアントの課題も解決する。よく言われる「三方よし」ですね。僕らはこれが実現できないのであればそもそもサービスを受注しません。思考体力が求められると言ったのは、どうすれば「三方よし」になるかを常に模索して、全員が納得するまで考え続ける必要があるからでもあります。

加えて言うと、課題感をヒアリングして構造化し事業案に落とし込んでいく構造化力、企業や先生とやりとりし着地点を探し、編集チームと連携し期日通り納品する調整力、大企業の意思決定者の方にアポをとって挨拶をしに行くフットワークの軽さ……現段階のARROWSはどうしても業務の幅が広くまた難易度も高いので、必然的に要求が高いものになってしまう面があります。

最初からすべてできる人はいませんから、先ほど紹介した朝会や各種ミーティング、毎日の日報の投稿などで知見を共有して、個人でも組織でもできることを増やしていっているところです。

ですので、それらの能力は磨いていくものとして、ARROWSの営業として入社しフィットする人の共通点としては3つあると思います。1つ目は「自分のパフォーマンス次第で全体の結果が変わることを楽しめる人」、2つ目は「変化を楽しめる人」、3つ目に「学習意欲のある人」です。

1つ目の「自分の頑張り次第で全体の結果が変わることを楽しめる」というのは、先ほどお話しした通り、求められる能力が全然違う営業とPMまでを一気通貫で担い、全体の結果を変えられることを楽しめるかということです。私自身が大企業では味わえない「自分のパフォーマンス次第で、意味がわからないくらい会社の結果が変わる」という環境に身を置きたいと入社し、今その面白さを感じています。

2つ目の「変化を楽しめる」というのは、ARROWSはまだまだ変化中の組織フェーズで、私が入社してからクライアント企業、営業のやり方も、全てが日々変化していますし、一回やると決めたことでも後に方針変更することもあります。そういったことをストレスと捉えるのではなく、楽しめる人がいいです。

3つ目の「学習意欲」については、10数名のスタートアップだと毎年150%や200%など、想像を超えるスピードで成長していくので、それに伴い求められるビジネス戦闘力や専門性も高くなってくるため、当然自ら学んで応えていくことが求められます。そういう学ぶことを諦めず、楽しめる人は向いていると思います。


個人のキャリアとしては、これらの業務を経験していれば、どこでもやっていくことができるのではないかと思います。例え今、自分にやりたいことややるべきことが具体的になかったとしても、将来自分が魂をかけるんだというテーマが見つかったときに、先頭に立って推し進めていく力が身につく環境がここにはあります。


profile

梶谷 明広営業マネージャー

2010年東京大学教育学部卒業後、(株)リクルートエージェント(現(株)リクルート)に入社。1年間の法人営業を経験した後、リクルートグループのHR事業の幅広い領域(人材紹介領域・新卒採用メディア領域・中途採用メディア領域・アルバイトパート領域)で経営企画・事業企画・営業企画等の企画職を経験。2018年からはマネジャーとして5-15名程度のマネジメントも経験。2022年7月ARROWSに入社。趣味はフットサルとサウナ。