「”とりあえずやってみる”の質が高く、毎日成長痛です」スタートアップで20人の営業チームを率いたトップ営業がARROWS入社で驚いた仕事の進め方

「先生から、教育を変えていく。」をビジョンに掲げ、学校教育の変革を推し進めるARROWSでは、同社の中核事業である「SENSEI よのなか学」の急拡大に伴い、営業メンバーを募集しています。ARROWSの営業にはどのような特徴があるか。スタートアップを渡り歩き、今年8月に営業チームへ加わった佐々木駿さんに詳しく聞きました。

「毎日、成長痛です」成長できる環境を求めてARROWSへ

――まずはARROWSに入社した経緯を教えてください。

知人から「面白いスタートアップがある」と紹介されたのがきっかけです。「SENSEI よのなか学」の事業内容やビジネスモデル、まだ組織規模が小さいにも関わらずもう黒字化していることなどを聞いて「なんだその会社は」と興味をそそられました。そこから、その知人と一緒に社長の浅谷と食事をし、面接を経て、2週間くらいで入社することを決めました。

ちょうど、社員数40名程度だった前職のスタートアップに入社してから300名まで拡大したところで、自分がやれることはやり尽くしたかもしれないという思いを抱いていたタイミングでした。もともと新卒で入社した会社も組織規模は大きいもののスタートアップ気質の組織。そこでオウンドメディアの立ち上げだったり、前職では製品開発をしたり、事業をつくって拡大していくことに仕事のやりがいを感じていました。みんなで力を合わせてピンチを切り抜けたときにドーパミンが出る感覚が好きなんです。

一方で、あらゆる施策をやり尽くして事業の土台ができると、安定成長が求められるようになります。するとどうしても新たな学びが減り、コンフォートゾーンに入ってしまうという状況にもどかしさを感じていて、さらなる成長環境を求めてARROWSに入社しました。

――スタートアップでの働き方は心得ている状況だったわけですが、実際にARROWSに入社してみてどうですか?

毎日、成長痛です(笑)。今まで使ってこなかった“頭の筋肉”をフルで使っています。

「SENSEI よのなか学」の提案資料を作成するフローにしても、初めてのやり方で新鮮です。

これまでの職場では営業資料の作成は自分一人で完結していましたが、ARROWSはチームプレーで行います。企業ごとに完全カスタマイズして提案するので、提案資料を自分で作成したら、事業部長を兼任する社長の浅谷と営業チームのマネージャーがそれをレビューします。

さらに、教材制作を担当する編集チームや、先生方とのコミュニケーションを担うマーケティングチームからもクロスレビューを受けて初めて完成となります。提案のフェーズから、ある意味教材制作がスタートしているんです。先生と子どもたちという顧客の視点やニーズをとらえた提案ができなければ、結局先生に教材を使ってもらえず、結果的にクライアント企業に価値をお返しすることもできないですからね。

企画を立てるとき、徹底的に仮説を立てることも特徴的です。相手の本質的な経営課題は何か、課題が生まれている原因は何か、ARROWSはその課題をどう解決することができそうか。提案資料のレビューの場では、「その仮説甘くない?」という指摘が飛び交っていて、様々な視点が得られてとても勉強になります。

ARROWS営業チーム
いつもフラットに議論し合える、営業チームのミーティング

こうした仕事の進め方には、ARROWS特有のビジネスモデルも影響していると感じています。前職の営業は、自社の素材をメーカーに売り込み、その素材を使った製品を共同開発していくポジションでした。製品が売れれば、メーカーはユーザーから売上を得られますから、メーカー側のモチベーションはわかりやすい。営業に求められることもシンプルで、まずメーカー側と良好な関係を築き「なにか一緒に面白いものを作りましょうよ」という雰囲気を醸成し、一緒にブレストしながら手探りで製品アイデアを固めていくといったやり方をしていました。

一方、「SENSEI よのなか学」は、教材という商材を企業とARROWSが共同開発するのは同じですが、それをユーザーである先生方に無料で届けているため、企業はユーザーから直接的な売上を得ることはできません。それぞれの企業の価値を「子どもたちに必要な学びに変換して届ける」ことによって、企業のどんな課題にどう貢献できるか、説得力のある提案をするのは難易度が高いですが、やりがいがあります。

筋肉痛が起こることは、それを求めていたので想定通り。嬉しい悲鳴ですね。

忖度なく意見を言い合う「公明正大」な組織カルチャー

――逆に、入社してからのギャップは何かありましたか?

「とりあえずやってみる」の質が高いことです。スタートアップは「40点の完成度でとりあえずやってみる」というマインドで物事が進む傾向がありますが、ARROWSの「とりあえずやってみる」の完成度は70点くらい。先ほどの提案資料の完成度を高くすることとも重なりますが、拙速ではなく、それをやるべき根拠とファクトを曖昧にすることなく一つひとつの業務を進めていきます。

営業マネージャーの梶谷はよく「科学していこうぜ」と言うのですが、そんな人は初めて見ましたから。「やり切ってるか?」「やり切れてないッス!」という精神論は、ここでは通用しません(笑)。検証してナレッジを仕組みに落とし込んでいくという考え方がすごくあるので、走りながらにも関わらず整備されているという印象を受けます。それでもメンバーはまだまだ仕組み化できていないと言うのですが。

一応付け加えておきたいのは、理詰めだから冷たいというわけではなく、いずれも顧客起点(=先生とその先の子どもたちにどんな価値を提供できるか)を追求してのことです。その視点から職位やポジションに関係なく、全員が忖度なく自分の意見を言い合うのがARROWSでは当たり前。メンバーの言葉の節々から熱い気持ちを感じることも多いですね。

そうした顧客起点の組織カルチャーが示すように、入社してみて「こんなに公明正大な組織があるのか」と驚いています。社長の浅谷の人間性が組織に反映されているのかもしれません。象徴的なのは採用面接。浅谷との面接の数日後、丸一日かけてARROWSのメンバーほぼ全員との面接があったんです。もしメンバーが反対したら、私を採用しないつもりだったのでしょう。

社長の浅谷(中央)とも「顧客起点」でディスカッションを深める日々

給与にしても方針が明確です。私の場合は、前職の給与等をふまえ増額した数字を提示してもらいました。同時期に他企業の採用面接を何社か受けましたが、オファーをいただいてもここまでの給与アップを快諾してくれたスタートアップは1つもなかったのでこうした対応はとても印象に残っています。後から浅谷に聞くと、教育業界の給与水準は低いイメージがあるが、そうではなくしっかりと対価を支払って、お互い切磋琢磨して給与を上げていこうという思いが根底にはあるそうです。

企業に埋もれた価値を照らし、子どもの選択肢を広げるために

――入社数カ月で濃密な日々を過ごされているのですね。佐々木さんがこれからARROWSで実現したいことを教えてください。

まずは営業という立場から「SENSEI よのなか学」をより多くの先生と子どもたちに届けていきたいです。

私、実は昔はバンドをやっていて、プロを目指していたんです。もちろん音楽が好きでやっていたのですが、振り返ると、視野が狭かったとも言えると思うんですね。実家は青森の田舎で、大人になったら親父の仕事を継ぐか、公務員になるかしか想像できないような閉鎖的な世界。サラリーマンとして働くことはダサいとすら思っていた。

そんなだから、東京の大学に進学してバンドマンを志しました。でも、音楽の道を諦めたあと社会人として働いてみたら「働くって楽しいし、働いてる人ってカッコいいな」と気付いたんです。

もし、10代の頃の私が「SENSEI よのなか学」の授業を受けていたら、もっと視野が広がっていて「社会にはこんな面白いコトがあるのか」と心躍ったかもしれません。当時の私のような子どもたちは、今もたくさんいるはずです。教育現場に社会との接点を提供することで、子どもたちの選択肢を広げられたら、と思っています。

これは、子どもたちのためになるだけではなく、企業にとってもいいことです。

ある時、社会の教科書を読んでいて、プラスチック包装を10%軽量化した企業の担当者の声が載っているコラムに目が留まりました。顔写真も添えられていました。

「・・ああ、もったいない」と感じました。前職では私も、自社や協力会社の技術者たちと一緒に、プラスチック包装の省資源化に取り組んでいました。機能をできる限り損なわずに軽量化することの難しさや制約は大きかったです。その実現に向けて多くの人々が情熱を注ぎ、日々努力している姿を目の当たりにしました。その結果が10%の削減なのです。

数字だけを見ると、たかが10%に思えるかもしれませんが、担当者にとってはその時点でのベストを尽くしています。実際、排出されるCO2の削減には大いに影響を与えているはずです。

ただ、教科書のページの隅には担当者の名前すら載っていないし、苦労も伝わらない文章で、10%の削減の結果だけが強調されている。この背景にあるコトの素晴らしさ・面白さは伝わらないだろうな、と感じました。

「SENSEI よのなか学」は、授業の1コマをまるまる使って、ひとつの技術やトピックにフォーカスします。もし、その企業の技術や知見を「子どもにとって必要な学びSENSEI  よのなか学」として変換しパッケージングすれば、子どもたちは、教科書の小さなコラムを読んだだけでは知り得なかったであろうたくさんのことを学び、感じることができるはずです。その技術を生み出した人や、その事業に携わった人も、これはきっと嬉しいし、報われる思いがするのではないでしょうか。

私自身、子どもが2人いて、上の子は来年小学生になります。心が躍る、手触り感のある授業を一つひとつ作り上げて、ユーザーとして自分の子どもたちにも届けられたら、それは父親としても誉ですよね。

そんな「SENSEI よのなか学」を飛躍的にグロースさせることが、目下やっていきたいことです。その先にはARROWSとして考えている海外展開や、二の矢三の矢もあるので、来るべきときのためにも目の前のことに取り組んで力を蓄えていきたいですね。


profile

佐々木駿|営業チーム

2013年新卒で株式会社ベネフィット・ワンに入社、福利厚生サービスの法人営業に従事したのち、WEBマーケティング/インサイドセールスチーム組織の立ち上げ、営業推進をチームリーダーとして牽引。「働き方改革」検索流入国内1位実績のWEBメディア立ち上げ、初代編集長。

2018年4月、プラスチックや紙の代替となる日本発の新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売するスタートアップ、株式会社TBMに広報・Growth Hack担当として入社。その後営業マネージャーとして国内外の事業開発に従事し、販売網拡大と新製品・事業開発を統括。
好奇心を追求し、粘り強く挑戦し続けるのが信条。経験談や苦労話を聞くのが好き。猫が好き。